
事案
鑑定対象者:X氏 事故当時30代 男性
事案の概要
交通事故により、A氏は外傷性頚部症候群(頚椎捻挫)、外傷性腰部症候群(腰椎捻挫)、右肩挫傷の診断を受けた。A氏は頚部痛や上肢のしびれ、握力低下を訴えていたが、後遺障害診断書に基づき自賠責保険で後遺障害非該当とされていた。
事故後、通院とリハビリテーションを行っており、約6か月後に症状固定となったが、症状は残存していた。
他覚的所見
A氏は頚部痛や上肢のしびれ、握力低下を訴え、ジャクソンテスト陽性、深部腱反射(腕橈骨筋腱反射)の低下を認めた。MRIではC5/6ヘルニアを認め、ヘルニア塊内部には輝度変化も確認。比較的新鮮なヘルニア(新鮮損傷)を強く疑う所見であった。
考察
A氏の頚部痛と上肢しびれの原因は、MRI所見に基づき、C5/6椎間板ヘルニアが神経根症を引き起こしており、これがA氏の症状の遷延に関与していると考えた。
結論
A氏の前記症状は、C5/6椎間板ヘルニアによるC6神経根症状と関連しており、他覚的所見に裏付けられた症状として、医学的に妥当と判断し、後遺障害等級12級13号を指摘することが出来た。