男性(1年前の後遺症)

20代

事例7 半月板断裂は交通事故の受傷によるものか?

事案

ご依頼者:A氏 40代 女性

事案の概要

B氏が横断歩道を歩行中に信号無視をしたバイクに衝突され受傷。救急搬送され、全身CTでは右膝の擦過傷と打撲傷を認めるのみで明らかな外傷は認めず、膝打撲傷の診断で帰宅となった。数日間様子を見ていたが膝の痛みと腫れが改善せず、近医整形外科を受診し、MRIにて右膝外側半月板の水平断裂を認めた。

しかしながら自賠責保険会社によると、画像上、本件事故による骨折や脱臼等の明らかな外傷性の異常所見は認め難く、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見に乏しいことに加え、その他治療状況等も勘案した結果、将来においても回復が困難と見込まれる障害とは捉え難いとして後遺障害には該当しないと回答された。また、右膝関節の機能障害については、可動域が健側(左膝関節)の可動域角度の3/4以下に制限されていないとして後遺障害には該当しないとし、後遺障害等級には該当しないと回答されていた。

 放射線科医による読影

診察時に右膝の腫脹と擦過傷を認め、関節水腫による膝蓋跳動(floating patella)を認めた。また、MRIにて右膝外側半月板の断裂と関節液貯留を認めた。

考察

右膝外側半月板損傷は本件事故により生じたものであるか否か。

交通事故の物損資料から、想定される本件事故の外力は相当なものであり、また右膝の擦過傷および腫脹、関節掖の貯留を認めていたことを踏まえると、本件事故により右膝を受賞したことは明らかであった。また、一般的に外側半月板損傷は変形性膝関節症による断裂は認めることはあるが、B氏の膝のレントゲン画像では膝の変形所見は認めず、MRIでも変形断裂とは言い難い画像であった。

結論

B氏の症状固定時における右膝痛は本件事故による右膝外側半月板損傷が原因と判断するのが医学的に妥当であるとした。その後、担当弁護士より、本件事故との因果関係が認定された、との報告を頂きました。

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